50代後半、体力が落ちてからeバイクで自転車通勤を再開した話

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

50歳頃はロードバイクで片道約30kmを通勤していた

50歳頃の私は、ロードバイクで自転車通勤をしていました。距離は片道約30kmです。決して短い距離ではありませんが、当時はそれを日常の移動として受け入れられるだけの体力がありました。

朝に自分の脚で会社まで走り、仕事を終えたらまた同じ道を帰る。天候や仕事の予定によって乗らない日もありましたが、自転車でまとまった距離を走ることが生活の一部になっていました。ロードバイクの軽さや、踏んだ分だけ進む感覚も気に入っていました。

その頃の経験があったため、私は長い間「また乗ろうと思えば、以前と同じように走れるだろう」と考えていたのだと思います。しかし、50代後半になって久しぶりに自転車通勤を考えたとき、その見込みは少し甘かったと気づきました。

約5年間のテレワークで想像以上に体力が落ちた

新型コロナウイルスの影響をきっかけに、テレワークが約5年間続きました。通勤がなくなったこと自体は便利でしたが、駅まで歩くことも、職場の中を移動することも減り、日常生活で身体を動かす機会は明らかに少なくなりました。

最初のうちは、それほど大きな変化だとは感じていませんでした。ところが、久しぶりに自転車へ乗ろうとすると、以前との違いがはっきり分かりました。かつて走れていた片道約30kmが、今の自分にはかなり厳しく感じられたのです。

年齢だけが理由とは言い切れません。運動量が減った期間が長かったことも大きかったはずです。ただ、理由が何であれ、以前と同じ体力を前提に計画を立てるのは現実的ではありませんでした。昔の自分と比べて落ち込むより、今の体力でどうすれば自転車に戻れるかを考える必要がありました。

以前と同じロードバイク通勤に無理に戻らない

ロードバイクが悪いわけではありません。今でも魅力のある自転車だと思っています。ただ、片道約30kmを走って仕事をし、さらに帰りも走ることを考えると、不安が残りました。

特に気になったのは、行きよりも帰りです。出発時には調子がよくても、仕事を終えた頃には疲れているかもしれません。途中で脚が動かなくなれば、残った距離を帰ることそのものが負担になります。「往路を走り切れるか」だけでなく、「その日の状態で無事に帰れるか」まで考えなければ、自転車通勤は続けにくいと感じました。

以前と同じロードバイクに乗り、以前と同じ距離を、以前と同じ感覚で走る。それを目標にすると、再開する前から気持ちが重くなります。そこで私は、昔のやり方をそのまま再現するのではなく、今の自分に合う方法を選ぶことにしました。

グラベルロードタイプのeバイクを選んだ

私が選んだのは、グラベルロードタイプのeバイクでした。ロードバイクに近い姿勢や走る楽しさを残しながら、必要な場面では電動アシストを使えることが、自分の目的に合っていると感じたからです。

もちろん、ロードバイクより速く走るために選んだわけではありません。私が乗った感覚では、速度の軽快さはロードバイクのほうが上です。一方、脚力が落ちた状態で坂道を上るときや、帰り道で疲れてきたときには、eバイクのアシストが大きな助けになります。

私にとって重要だったのは、最初から最後まで楽をすることではなく、必要なときに助けを借りられることでした。自力だけで走り切れるかどうかを毎回試すより、余力に応じて調整できるほうが、通勤を再開するハードルを下げてくれました。

普段はアシストをOFFにして自分の脚で走る

eバイクというと、乗っている間はずっとモーターに助けてもらうイメージがあるかもしれません。私も購入前は、運動にならないのではないかという疑問がありました。しかし実際には、アシストを使う時間を自分で選べます。

平坦な道や、体力に余裕があるときはアシストをOFFにしています。その状態なら、自分の脚で車体を進めなければなりません。車体の重さは感じますが、だからこそ身体を動かしている実感もあります。そして坂道に差しかかったときや、疲れを感じたときだけアシストをONにします。

調子のよい日はOFFで走る時間を長くし、疲労が残っている日は早めにONにする。最初から厳密な決まりを作らず、その日の状態に合わせています。アシストを使わないことを意地にしてしまえば、以前の無理な走り方に戻ってしまいます。反対に、必要のない場面まで使い続ける必要もありません。

この使い分けができることは、私にとってeバイクの大きな価値でした。運動量や感じ方には個人差がありますが、少なくとも私は、自分の脚で走る時間を持ちながら、無理のない範囲で続けやすくなりました。

「疲れたらアシストで帰れる」という安心感

アシストの効果そのものと同じくらい大きかったのが、帰り道への不安が減ったことです。出先で疲れても、必要になればアシストを使える。その選択肢があるだけで、家を出るときの気持ちがずいぶん違います。

ロードバイクで走っていた頃は、自分の脚が唯一の動力でした。それも自転車の面白さですが、体力が落ちた今は「疲れたら帰れなくなるかもしれない」という心配が、出かける回数を減らす原因になります。eバイクでは、その日の体力を使い切る前にアシストへ切り替えられます。

安心感があるから、短い距離でも外へ出てみようと思えます。出かける回数が増えれば、自分の脚で走る機会も自然に増えます。すぐに昔の体力へ戻るわけではありませんし、必ず体力がつくとも言えません。それでも私の場合は、乗らずにいるよりも、無理のない範囲で繰り返し乗るための支えになっています。

坂道が楽になると走れる範囲が広がった

体力が落ちてからは、地図を見たときに坂道があるだけで、そのルートを避けたくなることがありました。上れるかどうかだけでなく、坂で消耗したあとに残りの道を走れるかが心配だったからです。

eバイクでは、坂道で電動アシストの効果を特に大きく感じます。ロードバイクのような速さとは別の話ですが、脚にすべての負担をかけず、落ち着いて上れるようになりました。坂道を前にして「今日はやめておこう」と考えることが減り、以前なら避けていたルートにも少しずつ挑戦できるようになりました。

坂を速く上れることより、坂の先へ行けることのほうが、今の私には大切です。行き先の候補が増えると、自転車は単なる運動器具ではなく、もう一度、移動を楽しむ道具になってきます。

通勤だけでなく散策や日帰りキャンプにも使える

グラベルロードタイプを選んだことで、使い道は通勤だけに限られません。未舗装路や河川敷、少し荒れた道にも入りやすく、舗装路を効率よく移動するだけではない楽しみがあります。

例えば、コンパクトなキャンプ道具を積んで、近場へ日帰りキャンプに出かけることもできます。遠くへ行くことや本格的な装備をそろえることが目的ではありません。自転車で走り、気に入った場所で一息つき、簡単な食事や景色を楽しんで帰る。それだけでも、通勤とは違う一日になります。

自転車通勤をしない日にも、買い物、近所の散策、河川敷でのんびり過ごす時間など、乗る理由を作れます。通勤専用の道具にしないことで、自転車に触れる機会が増えました。50代後半から始める新しい趣味としても、私にはちょうどよい広がり方でした。

50代後半から自転車を再開する一つの選択肢

eバイクは、体力が落ちた人のための逃げ道ではないと、今は感じています。自分の体調に合わせて、どこまで自力で走り、どこから助けを借りるかを選べる道具です。

ロードバイクに戻ることを目標にしてもよいでしょうし、eバイクを長く楽しんでもよいと思います。大切なのは、昔と同じ体力を前提にして無理をすることではなく、今の自分が外へ出やすい形を見つけることではないでしょうか。

私の場合、アシストをOFFにして走る時間があり、必要なときにはONにできることが、自転車生活を再開するきっかけになりました。少し疲れても帰れるという安心感があり、その安心感が次に出かける気持ちにつながっています。

まとめ

50歳頃にはロードバイクで片道約30kmを通勤していた私も、約5年間のテレワークを経た50代後半には、同じ距離を以前のように走ることが厳しくなっていました。そこで無理に昔の走り方へ戻らず、グラベルロードタイプのeバイクを選びました。

普段はアシストをOFFにして自分の脚で走り、坂道や疲れたときにはONにする。この使い分けによって、運動する時間を残しながら、帰れなくなる不安を小さくできます。坂道のあるルートにも出かけやすくなり、通勤だけでなく散策や日帰りキャンプにも楽しみが広がりました。

eバイクを買えば、体力の悩みがすべて解決するわけではありません。それでも、今の体力に合わせながら自転車へ戻るための選択肢にはなります。昔と同じでなくても、自転車を楽しむ時間は作れる。私はeバイクに乗るようになって、そのことを実感しています。

SNSでもご購読できます。